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新型コロナウイルス感染症に対する感染管理|国立感染症研究所

この記事では、 2020/4/7に「国立感染症研究所」「国立国際医療研究センター」「国際感染症センター」が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が疑われる場合の感染予防策について、医療関係者及び保健所向けに作成したガイダンスを、薬剤師の監修のもと分かりやすく解説しています。

(1) 医療関係者の感染予防策

新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )の院内感染クラスターの発生増加を踏まえ、2020/4/5現在で、これまでに確認された院内感染クラスターの発端者を発症日に基づいて推定すると患者が70%、医療関係者が30%であった。

医療関係者が新型コロナウイルス感染症に感染する類型としては、

  1. COVID19 と診断または疑われている患者を診察して感染するケース
  2. COVID-19 と診断または疑われていない患者から感染するケース
  3. 市中や医療従事者間での感染

の3つに分類される。

「COVID-19 と診断または疑われていない患者」からの感染を防止する方法

「COVID-19 と診断または疑われていない患者」から感染することを防ぐためには、COVID19 の疑いに関わらず、原則として以下のような対応を常に行うべきである。

  1. 外来患者の待合室では、発熱や呼吸器症状を訴える患者とその他の患者、または発熱や呼吸器症状を訴える患者同士が一定の距離を保てるように配慮する。
  2. 呼吸器症状を呈する患者にはサージカルマスクを着用させる。
  3. 医療従事者は、呼吸器症状のある患者の診察時にはサージカルマスクを着用し、手指衛生を遵守する。
  4. サージカルマスクや手袋などを外す際には、それらにより環境を汚染しないよう留意しながら外し、所定の場所に破棄する。
  5. 手指衛生を遵守し、手指衛生の前に目や顔を触らないように注意する。
  6. 風邪の症状や発熱のある患者や、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある患者は、迅速に隔離し、状況に応じて PCR 検査の実施を考慮する。

「市中や医療従事者間での感染」を防止する方法

  1. 医療者が日常生活において高リスクな環境(3 密)を徹底的に避けて感染しないことが最も重要である。
  2. 院内では院内感染対策を徹底し、事務室や医療者控室では、密集を避けて換気をすること、共用物を減らすこと、集団で食事をする際にはリスクがあることを認識することが重要である。
  3. 医療機器等実用機器はこまめに消毒することが必要である。
  4. 医療従事者は、健康管理に注意し、発熱や呼吸器症状を呈した場合には職場には行かず、電話等で職場管理者と相談する。

(2) 医療機関における COVID-19 の疑いがある人や COVID-19 患者の診療時の感染予防策

COVID-19 患者(確定例)、疑似症患者、濃厚接触者のうち何らかの症状を有する者を診察する場合、以下の点に留意することが望ましい。

  1.  標準予防策に加え、接触、飛沫予防策を行う
  2.  診察室および入院病床は個室が望ましい
  3.  診察室および入院病床は陰圧室である必要はないが、十分換気する
  4. 上気道の検体採取を実施する場合(鼻咽頭ぬぐい液採取等)、サージカルマスク、眼の防護具(ゴーグルまたはフェイスシールド)、長袖ガウン(不足の場合はエプロン可)、手袋を装着する
  5. エアロゾルが発生する可能性のある手技(気道吸引、気管内挿管など)を実施する場合は、N95 マスク(または DS2 など、それに準ずるマスク)、眼の防護具(ゴーグルまたはフェイスシールド)、長袖ガウン、手袋を装着する
  6. リネン類の洗濯にあたっては、通常の 80℃・10 分間の熱水消毒後、洗浄を行う

(3)自宅等での感染予防策

  1. 「濃厚接触者」については、健康観察期間中において、咳エチケットと手洗いを徹底するように保健所が指導し、常に健康状態に注意を払うように伝える。
  2. 不要不急の外出はできる限り控え、やむをえず移動する際にも、公共交通機関の利用は避けることをお願いする。
  3. 外出時や同居者等と接触する際のサージカルマスク着用と手指衛生などの感染予防策を指導する。
  4. 濃厚接触者と同居している者にはサージカルマスクの着用および手指衛生を遵守するように伝える。
  5. 濃厚接触者が着用しているマスクについて、一度着用したものは、食卓などに放置せず廃棄するようにする。また、マスクを触った後は、必ず手指衛生をすることを指導する。
  6. 濃厚接触者が発熱または呼吸器症状を呈し医療機関を受診する際には、保健所に連絡の上、受診を勧められた医療機関を受診する。
  7. 廃棄物処理、リネン類、衣類等の洗濯は通常通りで良い。

(4)新型コロナウイルス予防のための環境整備

  1. 環境中における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残存期間は現時点では不明である。
  2. 他のコロナウイルスに関しては、20 度程度の室温におけるプラスチック上で、SARS-CoV では 6~9 日、MERS-CoV では 48 時間以上とする研究がある。
  3. インフルエンザウイルス A(H1N1)pdm09 の残存期間は数時間程度であり、SARS-CoV、MERS-CoV はインフルエンザウイルスに比較して残存期間が長い。SARS-CoV-2 についてもインフルエンザウイルスに比較して環境中に長く残存する可能性があるため、以下のような対応を推奨する。
  • 医療機関においては、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコールあるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。
  • 高齢者施設、不特定多数が利用する施設内、自宅等において、患者が発生した際、大がかりな消毒は不要である。長時間の滞在が認められた場所においては、換気をし、患者周囲の高頻度接触部位などは、アルコールあるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい
  • 新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や新型コロナウイルス感染症の患者、濃厚接触者が使用した使用後のトイレは次亜塩素酸ナトリウム(1,000ppm)、またはアルコール(70%)による清拭を毎日実施することを推奨する
  • 急性の下痢症状などでトイレが汚れた場合には、その都度清拭する。
  • 症状のない濃厚接触者の接触物等に対する消毒は不要である。
公式HP:「国立感染症研究所
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