「次亜塩素酸水」とは、どのようなもので、どういった効果があるのでしょうか?
次亜塩素酸水は、新型コロナ・インフルエンザ・ノロウイルスなどのウイルスや細菌に対して、どの程度の除菌・殺菌・消毒効果があるのでしょうか?
この記事では『薬剤師の資格を持つ専門家』が次亜塩素酸水の特徴や効果について、詳しく・分かりやすく解説します。
この記事はこんな人におすすめ!
- 次亜塩素酸水とは、どのようなもので、どのような効果・特徴があるのか知りたい方
- 新型コロナ・インフルエンザ・ノロウイルスなどのウイルスや細菌に対する「次亜塩素酸水」の除菌・殺菌・消毒効果について知りたい方
- 次亜塩素酸水について、薬剤師の資格を持つ専門家による、正確で分かりやすい解説を必要としている方
【帯広畜産大学】新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の不活化効果を証明
2020年5月14日
帯広畜産大学 獣医学研究部門の小川晴子教授及び、グローバルアグロメディシン研究センターの武田洋平特任助教らの研究グループが、新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の不活化効果を証明しました。
発表のポイント
- 次亜塩素酸水が短時間で強力に新型コロナウイルスを不活化することを証明しました。
- 次亜塩素酸水の新型コロナウイルス不活化活性は、溶液の酸性 pH ではなく、含まれる遊離塩素濃度に依存することを明らかにしました。
新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) の感染が世界中に拡大するなか、感染拡大防止に向け消毒薬によるウイルスの不活化が重要な課題になっています。
帯広畜産大学の小川晴子教授と武田洋平特任助教らの研究グループは、株式会社アクトと共同研究を実施し、次亜塩素酸水(無塩型)が新型コロナウイルスに対して短時間で強力なウイルス不活化活性を示すことを証明しました。
また、この次亜塩素酸水のウイルス不活化活性は、溶液の酸性 pH ではなく、遊離塩素濃度に依存することを明らかとしました。
この研究成果により、次亜塩素酸水が新型コロナウイルスに対する消毒薬として利用可能であることが示されました。
研究内容と結果
■次亜塩素酸水は、 1 分で 99.99%以上の新型コロナウイルスを不活化する
同研究グループは、ウイルスを含む多種の病原体に対する不活化効果が報告されている次亜塩素酸水に着目しました。
新型コロナウイルスは国立感染症研究所より供与を受けました。
先ず、次亜塩素酸水 (酸性電解水) の新型コロナウイルスに対する不活化活性を評価しました。
実験には、pH 2.5、含有遊離塩素濃度 74 mg/L の次亜塩素酸水を用いました。
ウイルス液と次亜塩素酸水を 1:9 の比率で混合し 1 分間室温で反応させ、その後ウイルス力価 (= 感染性を有するウイルスの残存量) を算出しました。
次亜塩素酸水との比較として、ウイルス不活化活性を有さない滅菌蒸留水 をウイルス液と混合し比較を行いました。
実験の結果、次亜塩素酸水は 1 分の反応時間で 99.99%以上の新型コロナウイルスを不活化し、感染性を有する残存ウイルス量は検出限界以下となっていました。
また、次亜塩素酸水の新型コロナウイルス不活化活性は、溶液の酸性 pH ではなく、含まれる遊離塩素濃度に依存することが明らかになりました。
まとめ
この研究で、次亜塩素酸水は新型コロナウイルスを短時間で強力に不活化可能で、次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する消毒薬としての有用性が示されました。
- 次亜塩素酸水は新型コロナウイルスを短時間で強力に不活化可能
- 次亜塩素酸水は新型コロナウイルスに対する消毒薬として有用
【北海道大学が実証】次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの消毒に有効|「ウイルスを瞬時に不活化」
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターと還元水生成器の製造・販売などを手掛けるエナジックインターナショナルは協力し、次亜塩素酸水に、新型コロナウイルスの感染性を失わせる不活化効果があることを実証しました。
実証実験は同センターの高田礼人教授が実施。
新型コロナウイルスを次亜塩素酸水と蒸留水に混ぜ、30秒、1分、5分、10分の反応時間ごとに、感染性を持つウイルスの数を測定しました。
※次亜塩素酸水は、ph2.7以下、有効塩素濃度40ppmのものを使用。
蒸留水の実験結果
感染性を持つウイルスの数は10分経過後も横ばいで変化はありませんでした。(効果なし)
次亜塩素酸水の実験結果
一方、次亜塩素酸水では、1ミリリットル当たり1千万個以上のウイルスが、30秒で検出限界以下まで減少し、そのまま推移しました。
実験を主導した北海道大の玉城英彦名誉教授は「次亜塩素酸水は新型コロナをほぼ瞬時に不活化している」と指摘。
「安全で手に入りやすく、アルコールに比べ皮膚への刺激も少ない。新型コロナの感染予防で、手指用の消毒液として推奨できる」と話しました。
安部首相が「次亜塩素酸水」を災害時の避難所などで噴霧活用する可能性に言及
安倍晋三首相は2020/5/7の産経新聞のインタビューで、新型コロナウイルスを克服するために、既成薬の活用やワクチン開発など、あらゆる方策を総動員して迅速に取り組む考えを示しました。
このインタビューの中で首相は、経済産業省が現在、新型コロナウイルスに対する有効性を検証中で、殺菌効果が強いとされる『次亜塩素酸水』を、災害時の避難所などで噴霧活用する可能性にも言及しました。
首相は「その実用化については検討している」と明かしました。
次亜塩素酸水は既に経産省の検証で、A型インフルエンザウイルスに対する有効性が実証されており、中国や韓国、台湾などは日本製品を輸入して新型コロナ対策に利用しています。
また、国内の多数の自治体でも新型コロナウイルス予防対策として次亜塩素酸水を住民に無料配布する動きが広まっています。
【医師が解説】次亜塩素酸水の効果|高い殺菌力と安全性を持つ次亜塩素酸水で感染症対策を!
新型コロナウイルスの感染者拡大を受け、ウイルスの除菌・殺菌・消毒に次亜塩素酸水の人気が高まっています。
次亜塩素酸水とはどのようなもので、どのような効果があるのか?疑問に思っている方も多いことと思います。
そこで、福岡市の「あだち耳鼻咽喉科」さんの次亜塩素酸水についての解説を記事に取り上げさせていただきました。
次亜塩素酸とは?
「次亜塩素酸」とは塩酸や食塩水を電気分解して作られる成分です。
次亜塩素酸を水に溶かすことで「次亜塩素酸水」が作られます。
次亜塩素酸水は、殺菌や消毒の効果が得られる上に安全性も高い除菌水です。
次亜塩素酸と聞くと、キッチンハイターなど塩素系漂白剤の成分である「次亜塩素酸ナトリウム」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは別物です。
混同して使うと危険ですので注意が必要です。
次亜塩素酸水は、次亜塩素酸を水道水で希釈して使用し、殺菌や消毒のために用いられます。
次亜塩素酸水は電気分解して作られるため「電解水」と呼ばれることもあります。
次亜塩素酸水は食品にも使用することができ、カット野菜の洗浄や医療機器の消毒などとしても使われています。
最近では公共交通機関・ホテルなどの観光施設で空間除菌にも使われることが増えています。
次亜塩素酸水は、厚生労働省より食品添加物の認可を受けており、その安全性はしっかりと保証されています。
塩素臭が強い次亜塩素酸ナトリウムとは異なり、無色の液体で見た目には水と変わらず、わずかに塩素のにおいが感じられるくらいです。
アルコール消毒液と比べ、手荒れなどを引き起こしにくく、人体への影響も少ないのが特徴です。
次亜塩素酸水の特徴
次亜塩素酸水の特徴について、詳しくみていきましょう。
(1)高い殺菌力
次亜塩素酸水はアルコール消毒液に比べて、さらに高い殺菌力があります。
O-157・インフルエンザウイルス・ノロウイルスなどに効果があり、約10秒で不活化し殺菌できるという即効性も特徴です。
セレウス菌・ボツリヌス菌といった熱に強い食中毒菌も殺菌し、一般的な消毒液であるアルコールの届かない範囲まで効果を発揮します。
経済産業省では、2020/4に「次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの消毒に有効な可能性がある」と発表しており、多くの自治体で次亜塩素酸水を新型コロナウイルスの感染予防に無料配布しています。
(2)人体や環境に負荷が少ない
次亜塩素酸水は、身体や環境への負担が少ないのも特徴です。
アルコール消毒液は肌荒れを起こしやすいのですが、次亜塩素酸水は肌荒れを起こす心配も少なく、もし体内に入ってしまっても残留する恐れがほぼないため、赤ちゃん・小さな子ども・高齢者・ペットがいる家庭でも安心して使えます。
次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)との違い
ノロウイルスなどの対策として、家庭でハイターなどの塩素系漂白剤を薄めて消毒液を作るケースがあります。
家庭内での手軽な殺菌方法として、さまざまな公的機関でも推奨されています。
塩素系漂白剤に含まれる「次亜塩素酸ナトリウム」を使った消毒方法で、次亜塩素酸水と同じように殺菌や消毒の効果があります。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは似ているため、同じものと思ってしまいますが、次亜塩素酸水が「次亜塩素酸」を主成分とするのに対し、次亜塩素酸ナトリウムは「次亜塩素酸イオン」が主成分であり別のものです。
殺菌力は、次亜塩素酸水の成分である次亜塩素酸の方が、次亜塩素酸イオンよりも約80倍高いとの研究結果もあります。
さらに、次亜塩素酸ナトリウムは強いアルカリ性のため、手荒れ・金属への腐食、環境への負荷も引き起こしやすいといったデメリットもあります。
手袋やマスクを着ける、最後にしっかり水拭きするなど安全性を確保した上で次亜塩素酸ナトリウムを使えば、多くの場合、家庭でも問題が起こることはありません。
しかし、次亜塩素酸水なら次亜塩素酸ナトリウムを使うよりも安全に、高い殺菌効果を得られるメリットがあるのです。
次亜塩素酸水の種類
次亜塩素酸水は含まれる有効塩素濃度やpH値によって3つに分類され、それぞれに用途も異なります。
- 強酸性次亜塩素酸水:pH2.7以下・有効塩素濃度20〜60ppm
- 弱酸性次亜塩素酸水:pH2.7〜5・有効塩素濃度20〜60ppm
- 微酸性次亜塩素酸水:pH5〜6.5・有効塩素濃度10〜80ppm
強酸性次亜塩素酸水は、医療機関で内視鏡などの洗浄に使われるなど、業務用がおもな用途です。管理が難しいので、一般的な消毒や殺菌には使われません。
家庭や公共機関、観光施設などで用いられるのは弱酸性・微酸性の次亜塩素酸水です。
特に、微酸性次亜塩素酸水は、強酸性・弱酸性の次亜塩素酸水に比べて、比較的管理がしやすく、人体への影響も少ないため安心して使えます。
次亜塩素酸水の使い方
次亜塩素酸水は希釈して使う大容量タイプ・使いやすいボトルタイプなどさまざまあり、使いたい方法によって選べます。
使い方としては、殺菌したい場所にスプレーしたり、タオルなどで拭いたりします。
手荒れの心配も少ないため、次亜塩素酸水で手指の消毒に使うことも可能です。
次亜塩素酸水専用の加湿器や超音波噴霧器を使えば、空間全体の除菌にも使えます。
消臭効果もあるため、ペット・トイレ・キッチン・靴箱などの気になるニオイの対策にも使えます。
次亜塩素酸水を使う際の注意点
殺菌したい場所を掃除してから使う
殺菌したい場所は前もって汚れを拭き取っておくなどしておきましょう。
これは次亜塩素酸水は有機物に触れるとすぐに反応し、分解されてしまうからです。
菌やウイルスに触れる前に付着している汚れに反応してしまうと、せっかくの殺菌効果が十分に発揮しにくくなってしまいます。
タオル・キッチンペーパー・ウェットティッシュなどで汚れを拭き取ってから、次亜塩素酸水を使用しましょう。
保存方法
次亜塩素酸水は、日光や紫外線に弱く、不安定なため、保存方法に注意が必要です。
医療現場などで使われる強酸性次亜塩素酸水は管理が難しいため、次亜塩素酸水の製造装置を設置し使う方法が一般的。
家庭用として使える微酸性次亜塩素酸水は、市販されている場合が多く、未開封であれば比較的長期の保存が可能です。
家庭で次亜塩素酸水を保管する場合は、直射日光が当たらない、涼しい場所で保管し、遮光・密閉できる容器に入れ保管するようにしましょう。
【まとめ】次亜塩素酸水の効果と特徴
次亜塩素酸水は高い殺菌力を持ち、さまざまなウイルスや菌に効果を発揮します。
アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)を使った殺菌・消毒よりも安全性も高く、赤ちゃん・子ども・高齢者・ペットのいる家庭でも安心して使えます。
- 次亜塩素酸水は、O-157・インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどに効果◎
- 次亜塩素酸水は、新型コロナウイルスの消毒方法として期待されている
- 人体や環境への負荷が少なく、赤ちゃん・子供・高齢者・ペットがいる家庭でも安心して使用できる
- 医療機器や食材の消毒にも使われ安全性が高い
- 専用の加湿器・噴霧器で空間除菌に使用できる
「あだち耳鼻咽喉科」さんが導入している次亜塩素酸水を使用した噴霧器による空間除菌の様子。
人体に安全な次亜塩素酸の働きで除菌脱臭などの効果が高く院内感染予防に効果が期待できます。
【経済産業省】次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの消毒に有効な可能性ありと発表
2020/4/15、経済産業省は、次亜塩素酸水などについて、調査の結果、新型コロナウイルスの消毒に有効な可能性があると発表しました。
今後代替ウイルスを使った検証試験を実施し、5月中旬にも有効性が確認される見通しです。
同省では、市販の消毒液が品薄な場合は、次亜塩素酸水などで代用可能で、検証試験の結果判明前に使用しても問題ないと説明しています。
新型コロナウイルスに有効な可能性があるのは、塩酸や食塩水を専用機器で電気分解して作る次亜塩素酸水・第4級アンモニウム塩・界面活性剤の3品目です。
特に、次亜塩素酸水は安全性が高いため手指の洗いにも使えます。
同省では代替ウイルスの試験結果を確認後、実際のコロナウイルスを使った試験も実施する予定です。
- 次亜塩素酸水は、新型コロナウイルスの消毒に有効な可能性がある
- 特に次亜塩素酸水は安全性が高いため手指の洗いにも使える
■新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価を行います
2020年4月15日同時発表:(独)製品評価技術基盤機構
(独)製品評価技術基盤機構は、次亜塩素酸水等を用いた消毒方法について、新型コロナウイルスに対する有効性評価を行います。
新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、家庭や職場においてアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、経済産業省の要請に応じ、文献調査等を行ってきました。
本日、これまでの調査結果を踏まえて有識者による検討委員会を開催し、新型コロナウイルスに有効な可能性がある消毒方法として、以下が選定されました。
- 次亜塩素酸水(電気分解法で生成したもの)
- 第4級アンモニウム塩
- 界面活性剤
今後、これらの消毒方法について、NITEにおいて有効性の評価を実施します。検討委員会の意見を聞きながら、補正予算の審議の状況を踏まえて、文献調査、有識者へのヒアリング、ウイルスを用いた実証試験等を行います。
出典:経済産業省「新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価」
【厚生労働省】次亜塩素酸水の定義とその効果
次亜塩素酸水とは、殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液(酸性電解水)のことです。
無色の液体で、臭いはない場合と、わずかに塩素の臭いがある場合があります。
日本では平成 14 年 6 月に食品添加物として指定されており、使用基準及び成分規格が定められています。
次亜塩素酸水には、「強酸性次亜塩素酸水」「弱酸性次亜塩素酸水」「微酸性次亜塩素酸水」などの種類があり、それぞれ製法・有効塩素の含量等が規定されています。
使用基準としては、次亜塩素酸水は、最終食品の完成前に除去しなければなりません。
次亜塩素酸水を食品に使用するケースでは、最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないと考えられています。
次亜塩素酸水とは
- 次亜塩素酸水とは、殺菌料の一種であり、食塩水・塩酸を電解することで作られる水溶液(酸性電解水)のこと
- 無色の液体で,臭いはない場合と、わずかに塩素の臭いがある場合がある
- 次亜塩素酸水には、「強酸性次亜塩素酸水」「弱酸性次亜塩素酸水」「微酸性次亜塩素酸水」などの種類があり、それぞれ製法・有効塩素の含有量が異なる
- 日本では食品添加物として指定されており、食品に使用することができる
- 次亜塩素酸水を食品に使用するケースでは、最終食品の完成前に除去される場合、食品に使用しても安全性には問題がない
次亜塩素酸水の効果・有効性
微酸性次亜塩素酸水の効果・有効性
各種殺菌剤との比較試験(各種微生物についての殺菌効果、食品に対しての殺菌効果)を行ったところ、次亜塩素酸ナトリウム等と同等以上の殺菌効果が得られた。
食品中での安定性として、ホウレンソウを微酸性次亜塩素酸水で処理し、使用中の有効塩素濃度の測定を行った結果、有効塩素は検出されず、残留性は低いことが示された。
食品中の栄養成分に及ぼす影響として、微酸性次亜塩素酸水処理によるビタミンC等の含量への影響を検討した結果、水道水処理等の場合と比較して影響を与えなかった。
- 微酸性次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムと同等以上の殺菌効果がある
- 微酸性次亜塩素酸水で野菜を処理しても、有効塩素は検出されず、塩素の残留性が低いため安全性が高い
- 微酸性次亜塩素酸水を食品に使用した場合、ビタミンC等の栄養分への影響は、水道水を使用したケースと比較しても差がない
弱酸性次亜塩素酸水の効果・有効性
微生物に対する殺菌効果及び食品に対する殺菌効果を検討すべく試験を行ったところ、殺菌効果があることが示された。
食品中の栄養成分に及ぼす影響として、強酸性次亜塩素酸水・弱酸性次亜塩素酸水・水道水での処理によるカットキャベツからの滲出液量について評価したところ、弱酸性では滲出量も押さえることができ、殺菌効果もあるためカット面を持つ食材の殺菌に適していると考えられる。
- 弱酸性次亜塩素酸水は、微生物に対する殺菌効果・食品に対する殺菌効果がある
- 弱酸性次亜塩素酸水は、強酸性次亜塩素酸水や水道水を使用した場合と比べ、食品の栄養分の流失量を押さえることができ、殺菌効果もあるため、カット野菜などカット面を持つ食材の殺菌に適している
強酸性・弱酸性・微酸性の違い
次亜塩素酸水には「強酸性・弱酸性・微酸性」などの種類があります。主に有効塩素の含有量・pHの濃度の違いによって分類がされます。
有効塩素の含有量による分類
- 強酸性次亜塩素酸水:有効塩素 20~60mg/kg
- 弱酸性次亜塩素酸水:有効塩素 10~60mg/kg
- 微酸性次亜塩素酸水:有効塩素 10~80mg/kg
pHの濃度による分類
- 強酸性次亜塩素酸水:pH2.7 以下
- 弱酸性次亜塩素酸水:pH2.7~5.0
- 微酸性次亜塩素酸水:pH5.0~6.5
次亜塩素酸水の殺菌効果・不活化効果
■次亜塩素酸水(塩素濃度:40ppm) の細菌・ウイルスに対する殺菌効果・不活化効果
※殺菌効果・不活化効果:◎=速効性あり
- インフルエンザウイルス (2009年新型を含む) :◎
- ノロウイルス (ネコカリシウイルス): ◎
- O-157(腸管出血性大腸菌): ◎
- 黄色ブドウ球菌: ◎
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌: ◎
- サルモネラ菌: ◎
- 腸炎ビブリオ菌: ◎
- カンピロバクター菌:◎
- カンジダ: ◎
- セレウス菌: △
- アスペルギルス (黒カビ) △
- ペニシリウム (青カビ) △